スペアと君と







あと何回自我を殺せばいいの?

演じてたんだずっと 君を

今は居ない君の居場所をずっと

守り続けていたの


本当の君ではない

本当に望まれてはいない

本当の君ではない

私は「私」別のモノ


古臭い御伽噺(教訓話)

色褪せないのは繰り返すから?

再び同じ「おしまい」を

読み聞かせて「めでたし」?


色褪せた「君」の記憶をずっと

懸命に思い出して

あなたが知る「君」のコト

わかったふりしていた


あと何回自我を殺せばいいの?

演じているんだ今も 君を

もう居ない君の居場所をずっと

つくり続けているの


似せて模した偽物で

「そっくりに振舞っていてね」

似せて模した偽物で

君の願いだけ叶えてた


毎回報われもせず

何度も「I」を叫んでみても

自分で装って

隠していたんだ「私」を


色褪せた「君」の記憶にずっと

縋って居場所作って

あなたのそばにいたくて

都合よく振舞った


あと何回君を偽る気なの?

同じものにはなれない 君と

馬鹿みたい、ただのスペアの癖に

換えはまだあるのに……。


何も特別じゃない

何も持ってない、そんな私

君が羨ましくて

ただあなたの傍に居たくて

痛い……


何人私壊せばいいの?

複製品にもなれない 君の

自分で自分の居場所を無くして

独りで泣いていたの


同じように繰り返し続ける

「めでたし」に出来ない 君を

模した私(スペア)、居場所を探して

おしまいに明け暮れてる 

   



音声ソフト「UTAU(重音テト)」を使用してます。